2008年05月20日
梅雨時アトピーが悪化する、と心配される方がいます。
こういう方でおりものも一か月ずっと続いて、量も多い、という方がいます。
梅雨時、湿気が多くなると、体の中の湿気すなわち「湿(しつ)邪(じゃ)」もおおくなり、皮膚に水泡が増えたり、じくじくかゆくなります。
汁が出なくても肌にさわるとなんとなく、湿っぽいこともあります。中医学では人の体は宇宙が支配していて、季節の影響を多く受けるので、治す時も季節の関係を重視しながら治していきます。梅雨時悪化する人は湿邪が多いタイプが多いので体内のおりものも増える傾向があります。
正常なおりものは無色透明で臭いも少なく、少量です。生理と生理の中間、排卵期ごろと生理前、妊娠時にやや多くなります。膣に雑菌が入るのを防ぎ、精子が入りやすいようにする働きがあります。しかし多すぎたり、黄色みを帯び、匂いが強くなると「湿熱」の状態となり、精子の力を弱め、妊娠力を落とします。
アトピーの痒み、じくじく、水泡のある皮膚を改善するにはこのように体内からくる信号も考慮しながら治していくと、肌も改善され、膣の不快な症状も改善し、すっきりします。
これも中医学の面白い点で「異病(いびょう)同治(どうじ)」<異なる病気や症状を同じ治療方針で治す意味>の一つの例です。
おりものに泡が混ざって耐えがたいかゆみとなった場合はトリコモナス菌に感染していたり、そのほか膣炎、卵管炎、などの場合もありますからその時は早めに受診し、治療を受けながら、そのような症状を起こす体質を改善していきましょう。
おりものを中医学で改善して妊娠した方は何人もいます。
写真説明:中国雲南省 少数民族の人形