やせて疲れやすい21歳のお嬢さん
21歳の中村さんは子供の時から食が細く便秘がちでした。色は白く体つきもほっそりとしていかにも頼りなげな美しいお嬢さんです。長いあいだ市販の便秘薬をのんでいたのですがそれも効かなくなり、この1週間便がまったく出なくなり困って相談に来られました。その声も小さく聞き取れないくらいでした。
排便時、汗が出て息切れがして時間がかかり、排便後疲れてしまうということです。ふだんも疲れやすく、休みの日は家でごろごろしています。ご飯も茶碗半分くらいしか食べられないそうです。
■どういうお薬がよいのでしょう
中村さんには元気をつけて胃腸の働きを活発にする漢方薬を差し上げました。飲んで2週間後には疲れがなくなり元気になってきました。便通も自然につき腹痛を起こすこともなく喜んでいます。
■筋肉の力が大事
肛門の筋肉はふだんしっかり締まっています。排便する時は強い力で肛門を押し開けます。中村さんのようなタイプの方の筋肉は弱く、肛門を押し開ける力は足りません。朝食後は一日の内でいちばん大きく腸は動きます。このチャンスを逃がさず必ずトイレに行く習慣をつけましょう。
■西洋の便秘薬と漢方の便秘薬の特徴
西洋の便秘薬は肛門に刺激を与えて便を出すので連用していると量が段々増えてきます。また強い下剤の連用により、脱水や疲労感がでることもありますので、西洋の便秘薬の連用は一般に勧められていません。
しかし、漢方の便秘薬は前回でお話したとおり、飲めば飲むほど腸内細菌の働きを活発にして体にエネルギーを与えますので続けたほうが体によいのです。またこの中村さんのように元気になってきます。
■日常出来ること
便秘マッサージ:
(1)朝目が覚めたら布団の中で時計まわりにへそを中心に30回ぐるぐる円を描くようにマッサージをします。
(2)トイレでお腹の左側足の付け根の上あたりを両手で突き刺すように30回押します。
便秘によい食べ物;ひじきの煮物、大根切り干し、黒ごま、白ごま、大根、ほうれん草、レンコン、黒きくらげ、ブタ赤身などを毎日食べましょう。