アトピー性皮膚炎の発症は細菌の異常増殖に起因:この説に疑問
米国立衛生研究所や慶應大学などの研究で、アトピーの発症と同時に皮膚表面で黄色ブドウ球菌が異常発生した、抗生物質を使ったら症状が治まったのでアトピーの原因は細菌の異常増殖に起因するとわかった、と4月22日ニュースで報道されました。
これを聞いて私は、「ああやっぱり」という気持ちと同時に「それだけじゃない」という気持ちが半々に起きました。
アトピーがひどい時、風邪をひいてお医者さんで抗生物質が出て飲んでいたら、アトピーが治まりました。でもやめたら悪くなりました、ということはよく漢方相談中にお聞きします。
消毒薬を使うとかゆみがおさまる、ゲンタシン軟膏を使うと少しよい、と言ったことも日常茶飯に聞きます。
ですからひどい時、掻き毟りでじくじく黄色い汁が出た、乾燥肌でも掻き傷だらけの時は皮膚表面に黄色ブドウ球菌が一杯います。
しかし、生理前や妊娠中、産後に悪化する。受験や就職活動で悪化する。チョコを毎日食べていたら悪化した、ということはこの最近異常増殖の説ではどう説明するのでしょうか?
また抗生剤は腸内細菌を乱すので長期使えないのはみなさま、ご存じのことと思います。
中医学(漢方)ではアトピーが赤ければ清熱解毒の働きのあるタンポポや、菊の花、連翹などの生薬を使うので、細菌も殺し、赤みもかゆみも同時になおしていくので、この「細菌の異常増殖起因論」にあっていて、しかも副作用はありません。
赤みがおさまったら生理をととのえ、ストレスに強くし、胃腸を丈夫にする漢方薬に切り替え体質改善をしていくので、再発もしなくなり、丈夫な肌になり、「細菌の異常増殖起因論」の不備も補う素晴らしいものです。
国際中医師 薬剤師 植松 光子 2015/04/23