「永遠の美」に対する思いは女性の方は皆さんお持ちではないでしょうか?
20歳を過ぎたのに一向にニキビが消えない、若い頃はニキビなど無縁だったのに…等、大人ニキビに悩む方は少なくありません。特にお年頃の女性にとっては深刻な悩みです。
中医美容シリーズとして、そんなニキビ(大人ニキビ)について漢方薬、薬膳、養生法など数回に分けてアップしていきます。
ニキビとは?
ニキビとは様々な原因により引き起こされる炎症を伴った発疹で、医学的には尋常性ざ瘡と言います。ニキビは「青春のシンボル」とも言われますが、20歳を超えてできる“大人ニキビ”は吹き出物とも呼ばれます。
ニキビの発生には主に3つの原因が関わっています。
①ホルモンの分泌異常
②皮脂の分泌異常
③ばい菌の感染
これらの原因が重なり、炎症性トラブルとして皮膚に現れます。
毛穴から皮脂が分泌されます。 毛穴が狭くなり、やがて詰まります。 詰まった毛穴の中でアクネ菌が増殖し
炎症が広がります。
※アクネ菌…皮膚に非常に多く存在
する皮膚常在菌。嫌気性の細菌のため酸素のない脂腺の奥に生息。
皮脂を好むため、詰まった毛穴の中で過剰に増殖する。
主な治療方法
●面皰(めんぽう)圧出…専用の器具を用いて、詰まった皮脂や角質を取り除きます。
●外用レチノイド…近年「ニキビは皮膚科へ」のCMでやっているアレです。
●外用イオウ製剤…イオウ独特のにおいがあります。
●抗菌薬…外用と内服があり、炎症を起こしたニキビに使われます。
●漢方薬…症状のタイプに合わせていくつかの段階に分けて治療します。
「肌は内臓を映す鏡」からだの中から、ニキビの出来にくい体質に改善します。
《ニキビが漢方薬で良くなった例①》
もともとアトピー体質の20歳代女性。
アトピー治療の傍ら、大学入学後、試験になるとニキビができるようになりました。その後もストレスやプレッシャーがかかったり、疲れがたまるとニキビが発生・悪化するという状態を繰り返していました。また、日常的にひどい便秘状態でした。
赤味が強かったため「血熱(体内にこもった熱が血液にまで侵入した状態)」と考え、便通を良くしながら「血熱」をとる漢方薬を服用したのですが、改善が見られませんでした。ところが「瘀(お)血(けつ)(血液の流れが悪く滞っている状態)」をとる漢方薬を服用するようになって、すっかり便秘とニキビが改善しました!
今ではアトピー症状もニキビもなく、白くツルツルのお肌に。不順だった生理周期も正常になり、周りのお友達からもお肌がキレイだと褒められるほどになりました。
中医学(漢方)では同じ『ニキビ』でも、それぞれの症状に合わせてお薬を決めていきますが、見立てが大事ということがこの例でもわかりますね。
薬剤師 谷季里子