Archive for 11月, 2011

NHKあさイチ11月20日放映「アトピーの原因が一部解明された」中医学からの補足

月曜日, 11月 28th, 2011

アトピー原因 001

ステロイド軟こうの効果だけに注目していないか

10月のあさイチ「アトピー・・」の番組に続いて11月20日のあさイチで【イギリス ダンデイ大学研究チームがアトピーの原因の一部を解明した。この方針を元に治療を開始したアトピーで20年間悩む若い女性の肌が9日で劇的に改善された】という内容が放送されました。

前回10月に報道された中身の補充でしたので、ここにもう一度まとめて書いてみます。

  • 皮膚の潤いを作る蛋白質フィラグリンを作るのは遺伝子FLG。アトピーの人にはこのFLGがないので角層にほころびができスキンバリアーが失われる。
  • ●そのため刺激や乾燥から皮膚を守る角層が乾燥し、ほころぶのがアトピー発症の原因である。
  • ●アトピーの発症は皮膚の防御機能スキンバリアが関係しているのがわかった。
  • ●アトピーを根本的に治すフィラグリンを新たに作るよう遺伝子FLGに働きかける新薬を開発してスキンバリアを再生して異物の侵入を除くことが出来る。

  • その新薬があと5年から10年で開発できる予定

番組ではこの女性の顔にたっぷりのステロイド軟こうを塗って9日後にきれいになった顔を放映していました。

ステロイド軟こうでこんなに短期間できれいになることを印象づけた番組でした。

あとでアナウンサーがステロイドの内服には副作用がある、ということを補足していましたが、聴視者にはステロイド軟こうの効き目だけが強調された番組の作りでした。

●:コメント「一時的によくなってもリバウンドが心配」

この方の一カ月後、3カ月後が心配になりました。

すんなりステロイド軟こうがやめられれるのでしょうか?

リバウンドは出ないでしょうか?

多くのアトピー患者が苦しんでいるのはその点なので、ステロイドでなぜ完治しないのかを掘り下げてほしかった。

ステロイドをやめられ、再発しないためには私がつねづね提案している、食事と中医学の実践をすれば5年、10年かけなくてもきれいになります。

詳しくは「NHK あさイチ「最新情報 治せ アトピー性皮膚炎」の中医学からの補足」を参考にしてください。

参考:番組内容詳述

●そのほころびからどのようにアトピー性皮膚炎が発症していくのだろうか?

その謎を解き明かしたのは慶応大学天谷教授です。

  • ●ほころんでダニなどの抗原が皮膚に入り込んでその抗原に突起をのばして接触していくのが抗原提示細胞である。この細胞の働きがアトピー性皮膚炎の発症のメカニズムを解明するきっかけになる。
  • ●抗原が入ると抗原提示細胞がその情報をとらえて身体の内側にある免疫システムに伝える。すると毛細血管からリンパ球が出てきて抗原を攻撃し、炎症物質をまきちらす。赤くじくじく汁がでてかゆくなるのです。
  • ●炎症が出来た皮膚を掻いてしまうと更に皮膚が荒れ抗原が侵入する。リンパ球は活動を強め炎症は広がる。こうしてフィラグリンがなく、スキンバリアーがないほころんだ皮膚からアトピーが引き起こされると考えられる。またフィラグリンのある人でも皮膚を何度も掻いたり、強くこすったりするとスキンバリアがほころんで同じような状態になることが分かっている。
  • ●石鹸の使い過ぎるとかさかさになるのは角層が壊れた状態で容易に抗原が入っていく。
  • ●スキンバリアが壊れていると犬の毛など抗原が入ってアトピーを発症する。ステロイドの使う量が大事。そのためにステロイド軟こうを上手に使うことが大事だという結論でした。
  • ●ステロイドは毛細血管の拡張を抑え、炎症が取れる。
  • 一節分を手のひら2枚分の面積にちょんちょんとおいてから、薄く塗ってそっとのばす。短い期間で一気に抑えることがポイント
  • 皮膚のバリアーを改善するのがなにより大事なのです正常なスキンバリアーを維持できれば他のアレルギーも防げるのではないかと期待されています。
  • アトピー性皮膚炎を新生児のうちに予防できれば花粉症や食物アレルギー、ぜんそくなど他のアレルギーも防げるのではないか、とオレゴン健康科学大学皮膚科のエリック・シンプソン教授は番組で話していました。

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写真:ウエマツ薬局で作っている漢方の軟膏「ウエマツ中黄膏」

赤みや乾燥によい。

中国の高名な生殖医療センターで研修してきました

金曜日, 11月 25th, 2011

この10月中旬、中国四川省の成都(せいと)中医薬大学付属病院の生殖医療センターで研修をしてきました。

ここの院長の女性の陸先生は中国でも有名な不妊症治療の大家ということで、ふつうは研修など出来ない、ということでした。
しかし私たち日本中医薬研究会の不妊専門部会のメンバーは日本でも有数なよく勉強をしている会、ということで特別研修をさせてくださいました。

ここでは西洋医学と中医学(漢方)両方を使って妊娠させるので、非常に妊娠率が高いということでした。
講演で印象的だったのは卵管が詰まる人は西洋医学では卵管を取ってしまいますが、中医学では詰まりやすい体質を治す、ということでした。

流産しやすいひとも流産しやすい体質を治して予防します。

男性不妊については副院長の男性の常先生がとてもよい話をしてくださいました。

男性はEDなど深刻な問題を抱えている御夫婦も少なくありません。

しかし漢方薬はよい薬があるので、改善して赤ちゃんをさずかってお礼に見える方もいます。


「中医学は幸福学です」
とおっしゃいました。
患者さんも幸せにするし、患者さんが幸せになれば私たち医療者も幸せになります。

私も遠い四川省まで行ったかいがありました。

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写真:四川生殖衛生医院で研修

帰りは世界遺産の九寨溝(きゅうさいこう)へ行ってきました。
海抜3700mなので高山病を心配しましたが、心肺機能を丈夫にする漢方薬をしっかり飲んで行きましたので、高山病には全くならず、元気に行ってこれました。

湖底の落ち葉一枚一枚がはっきり分かるほど碧く透き通り、心が清められる思いでした。

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写真:九寨溝

年末年始のお知らせ

火曜日, 11月 8th, 2011

年末年始は12/30~1/4までをお休みとさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

 

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