Archive for 9月, 2011

NHK あさイチ「最新情報 治せ アトピー性皮膚炎」の中医学からの補足

土曜日, 9月 17th, 2011

9月5日 NHKで放映された上記の番組は大きな関心を呼んだようです。

番組でのポイントは

  • ・皮膚の表面の角質層は、ダニや食べ物など抗原の侵入を防ぐバリアー機能の役割がある。
  • ・この機能を担っているのがフィラグリンという角質を構成する蛋白質。このフィラグリンに異常があると角質層のバリアー機能が弱まり、抗原が侵入しやすくなり、皮膚に炎症が起こる。
  • ・さらに繰り返されるとかゆみ物質を放出して炎症が悪化する。日本人には4人に一人このフィラグリンに異常があるという。
  • ・アトピー発症のメカニズムは複雑だがその一端がこれで解明されたので、将来このフィラグリンの異常を治す薬ができればアトピー治療の希望がもてる

 というはなしでした。

 

このフィラグリンという遺伝子については2月に私のHPですでに述べました。「アトピー最新情報」 

ではどうすればよいか?

バリアー機能を丈夫にすればよい。

そのために炎症がある時はしっかりステロイド軟こうを塗り、きれいになるまでしっかり塗ること。

大切なのは、その塗り方です。

  • ・すりこまないで載せるように塗る。
  • ・量が少ないと炎症のある角質の上部までステロイド軟こうが付かないので、効き目が出ない。
  • ・塗ってきれいになってからそのきれいな状態を維持することが大事。
  • ・石鹸は泡だてて泡でしっかり汚れと黄色ブドウ球菌をのぞいて痒みの一端を除く。
  • ・保湿もしっかりぬる。薄いと角質の表面まで潤わないので効果が出ない。
  • ・皮膚の上で混ざるので、保湿剤とステロイド軟こうはどちらがさきでもよい。 

アトピーのメカニズムは複雑で、とりあえずは皮膚のバリアー機能を高めること、という内容でした。

 

この内容で補足する点がいくつかあります。

一つはステロイド軟こうを塗ってきれいになってから、ずっと落ち着いていればよいのですが、ほとんどの人は再発し、ステロイド軟こうからやめられません。使い続けて行くうちにステロイド皮膚炎となり、皮膚がうすくなり、血管がすけて真っ赤な顔になってしまう人がいます。

辛いもの、チョコレート、ファーストフードの食べ過ぎで悪化する人、受験や就職など環境の変化などで悪化する人、妊娠中悪化するひと、授乳中悪化する人、アトピーに生理不順など生理異常の人が70%もいる(拙著:『アトピーを治して妊娠する本』より)ことなど、アトピーの原因が身体の中からきていることがうかがわれます。

このような人にステロイド軟こうと保湿剤だけでなおるのでしょうか?

例えていえば風邪をひきやすい人に「しっかり服をきて温かくしていなさい」ということと同じです。

風邪をひきやすい弱い身体を、食事や睡眠、運動で丈夫にしなければ、薄着をすればまた風邪をひくでしょう。

 

バリアー機能を丈夫にしたければ表面だけでなく皮膚そのものをしっかりした丈夫な皮膚にすることです。アトピーの人はほとんど肌の水分が足りません。乾燥肌がバリアー機能が損なうので乾燥肌を治すことが大切です。

イラストを参考にしてください。

 皮膚001

そのためには身体の中から治すことが大事です。

早く寝て肌をうるおし、運動し、汗をかき、デドックスし、血液循環をよくする。

正しい食事と症状に合った中医学漢方を飲み、胃腸を丈夫にすると表面の皮膚だけでなく、皮膚の下から弾力があり潤いのある、つやつやした丈夫な肌になります。

このようなことがフィラグリン蛋白の異常をなおして角質層を丈夫にする「鍵」ではないでしょうか?

風邪ひきの例えとまったく同じ治療法ですね。

 

ひどいときは「あさイチ」で教えていただいた通りのステロイド軟こうの塗り方をし、保湿は十分します。

 このように西洋医学的治療法と同時に中医学的治し方も補うと皮膚のバリアー機能は高まり、アトピーから早く卒業できます。

アトピーの赤ら顔を改善するには・・・

木曜日, 9月 15th, 2011

顔が赤くなる、と言って来店される方が増えてきました。

顔が赤くなる赤ら顔の原因にはいくつかあります。

その原因に沿って漢方薬とスキンケアをしますとだんだんよくなっていきます。

顔の赤みがとれると別人のようにきれいになるのでびっくりさせられます。

【タイプ】

1:自律神経のバランスが崩れた。緊張が続いている。

2:冷えのぼせ。更年期障害

3:ステロイドを以前顔に使っていた。

4:太陽光線によるアレルギー

【原因と改善方法】

1のタイプ

職場や、受験、就職活動などで緊張が続くと自律神経のうち、交感神経が緊張し、」血管はひろがり、血は顔に昇っていきます。血熱と言います。

血熱チェック表:http://www.kanpo-bijin.com/?p=395

赤くなった、顔を見られている、と思うだけでさらに赤くなっていきます。

こういう方は緊張をとる漢方薬がよくききます。だんだん赤くならなくなります。普段も深呼吸をしたり、散歩をしたり、ヨガ、太極拳などリラックスする運動をつづけると、よいでしょう。

毎日を楽しくすごすようつとめましょう。参考・・http://kanpo-uematsu.jugem.jp/

怒りたくても怒らないようにすると、自分が楽になります。無理だな、大変だな、と思うことは義理でしないこと。上手に断りましょう。

2のタイプ

女性の更年期50歳前後におこる症状です。ホルモンのバランスが崩れてのぼせて顔が赤くなるのに、足は冷えてきます。

治し方は、女性の更年期の漢方薬を飲み、日常生活は1と同じことに気をつければいつの間にかよくなります。

3のタイプ

ステロイド軟こうを以前使っていた方はステロイドによって毛細血管が広がり、血が透けてみえることにより赤くなります。いつも熱感とむずがゆさがあります。ステロイド皮膚炎ともいい、ステロイドは効きません。

肌も固くごわごわしたり、薄くなっています。血の熱をとる漢方薬を根気よく飲んでいきましょう。時々はステロイドのリバウンドが出たりとても治りにくい症状ですが、あせらず漢方を飲んでいくと、いつのまにか治る方が多いです。

若い男性に多いのですが、赤みが薄くなるととても素敵なイケメンになってびっくりします。

4:のタイプ

最近オゾン層の破壊のせいか太陽アレルギーの方が増えました。

お日さまにあたるだけで赤くなるので厄介です。産後や50代くらいの女性が多いようにかんじられます。この年齢は免疫力が低下し、今まであたっていたお日様がアレルギーになってしまうのです。赤みをとる漢方薬をしっかり飲み、赤みがない日でも予防に漢方薬を飲んでいると肌も丈夫になっていきます。

肌も乾燥してきていますから、水分を補給するスキンケアが大事です。夜も早く寝ましょう。

赤ら顔

喜びの声54 「アトピーが良くなり、毎日がとっても楽です」

土曜日, 9月 10th, 2011

喜びの声「毎日がとっても楽です」

☆今までの経緯は?

小学生の時から症状があり、病院に通いステロイド剤、保湿剤などをしようしてきました。しかし症状は良くなるどころか悪化し、年をとるにつれ、症状の出る範囲も足、腕の関節から足、腕全体、背中、腹部、首そしてついには顔と、体全体に広がり、化粧することも出来ず、とても辛かったです。

☆ウエマツ薬局に来たのは?

自宅の近くで、普段通る道にあり、存在はずっと知っていました。

あまりに症状が悪化した私を見兼ね、母が植松先生に話をしてくれ、そのことがきっかけとなりました。

☆漢方薬を飲んで変わったところ、良かったところは?

最初は実は少し疑っていました。今までずっと病院に通い、薬を塗ってきたにも関わらず、症状は悪化なる一方であったので一生治らないもの、そしてどんどん悪くなっていくものと思っていました。

しかし、ウエマツ薬局に来て先生に「絶対治りますよ」と声をかけられ、涙が出ました。

先生の言葉通り、漢方を呑み始めると赤みがひき、かゆみも治ってきました。私の場合は一年飲んだ時点で肌の状態が見違えるほどよくなりました。漢方のお陰で、おしゃれも楽しめるようになりましたし、何より毎日が、あの痒みと痛みから開放され、とても楽になりました。

☆悩んでいる方へひとこと。

毎日、とても苦しいことと思います。でも、諦めないで下さい。私もまだ完治ではありませんが、日々良くなっていることを実感しています。ぜひ、続けてみてください。

<2011年5月20日>

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下痢 :下痢の養生法<3>

金曜日, 9月 9th, 2011

《緊張、ストレスで起こる下痢》

(原因)緊張、ストレスのせいで消化器の働きが乱れて下痢する。

(症状)緊張、ストレスに伴い、下痢や腹痛、腹鳴などをするが、すっきり排便できない。いらいら、憂欝、食欲むらがある。

(治療)緊張をやわらげ、消化器の働きを整える。

(生薬)柴胡、白朮

(養生法)

  • リラックスを心がけ、考えすぎない。
  • 消化のよいものを食べる。
  • 軽い体操や、散歩などで体を動かす。
  • やけ食いや、暴飲暴食をしない。
  • 辛い物、油っこい物、味の濃いもの、冷たい物、お酒等は控えめにする。

(症例)スポーツ少年のK君の高校受験直前のことです。

「ストレスを感じるとは思えないけれど、いつもの食欲もなく、下痢をしている。」と、お母さんが来たついでにおっしゃいます。
いつもは元気でおおらかなK君ですが、さすがに受験の緊張が胃腸をいじめて働きを邪魔していたようです。

緊張をやらげる漢方薬と胃腸を元気にする漢方薬を服用すると、すぐに落ち着いてきたようで

「本人が自分でちゃんと飲んでいるのよ。」とお母さんが驚いていました。
緊張せずに実力が出せるようにと、試験の日も飲んでいったそうです。