アトピー最新情報
<1>:アトピーと化学物質
2011年2月25日朝日新聞によると「化学物質とアトピーなどの関係調査」を環境省は13年計画で始めました。子供のアトピーやぜんそくが増えているのは化学物質と関係しているのではないか?こうした仮説をもとに10万組の母子の生活環境の追跡調査です。
大変な予算がかかるこのような調査を国が始めたのは、やはり化学物質との関係を重要視したためと思われます。
化学物質による影響は以前有吉佐和子さんが書かれた「複合汚染」という小説が思い出されます。当時大変な社会反響を起こしました。
化学物質には、だしの素、ポテトチップス、ウインナー、ジュース、コンビニ食などに含まれる添加物、化粧品、西洋医学の医薬品、空気中の排気ガス、消臭剤などありとあらゆるものに含まれています。それらが単品ではアレルギーを起こさなくても長い間食べたり、触ったりしていると次第に敏感に反応するようになるのです。
しかし現代の生活でそれらをすべて除去するのは不可能です。
まずはすこしづつ出来ることから始めましょう。
私は以前から、日本の伝統食を提案してきました。
朝のご飯とみそ汁、納豆。みそ汁は昆布と煮干しから出汁をとりましょう。
薬も自然の生薬である漢方薬煎じ薬は葉っぱや、実そのものです。
漢方で皆さんが元気になるのもうなずけます。スキンケアも漢方生薬入りが肌にやさしく効果的に作用します。
詳しくは近著「アトピーを治して妊娠する本」に詳しく書きました。本屋さんでお求めください。
<2>:講演会に行ってきました。於:川越プリンスホテル 2011年2月24日
自治医科大学皮膚科教授 大槻マミ太郎先生 御講演
●アトピーの原因
アトピーの原因は皮膚のバリア機能異常説が最近は主流になって来ました。
Nature という科学誌に報じられたその原因遺伝子はフィラグリンというたんぱく質です。
バリア機能の異常はフィラグリン蛋白の機能障害なのです。
耳慣れないそのたんぱく質はいったい何なのか?このフィラグリン、角質を構成する蛋白の一種です。
フィラグリン蛋白の機能障害により皮膚のバリア機能が障害され、様々なアレルゲン、刺激物質に常に暴露されることにより、慢性の皮膚炎が生じてくるという考え方が最近は欧米では主流となりスキンケアの重要性が分子レベルで証明されました。ですから掻いたり、こすったりすると悪化するのです。6時間おきのスキンケアが回復に導きます。かゆくなくても塗ります。抗ヒスタミン剤はアトピー変わりませんが、かゆみによいので3カ月は継続的に続けたほうがよい。断続的よりも効果があります。
(その蛋白質をしっかり作るのは正しい食事と胃腸がよく働くこと、早く寝ることです・・・植松コメント)
●赤ちゃんのアトピー予防
赤ちゃんにアトピーが非常に増えています。遺伝よりも乾燥した肌質が関係しているのでアトピーが出る前から、新生児からしっかりスキンケアーをすると予防できる、とアメリカの最新の研究発表です。乾燥やかゆみがあるときは6時間おきに保湿剤を塗ります。
(ウエマツ薬局では漢方生薬入りの花しずくエッセンスやクリーム、瑞花露クリームなどをお勧めします。)
●アトピーと花粉症 山形大学付属病院耳鼻科教授 太田伸男先生
アトピーの人の25~30%は花粉症。薬を飛散前に飲むと改善率は80%だが飛散してからは30%
妊婦さんは女性ホルモンが増えて細胞に浮腫を起こしやすい、特に妊娠4週から7週は過敏期である。抗ヒスタミン剤は胎児に影響があるので飲めない。ステロイドの内服薬のセレスタミンやプレドニゾロンは短期間投与する。
(漢方薬は妊娠中でも飲めるし安胎作用のあるものもあります・・・植松コメント)
<3>母乳のアトピーの赤ちゃんにはお母さんの食事が大事
おっぱいは「白い血液」と漢方ではその重要性を教えています。
真っ赤に肌がただれた赤ちゃん、本当にかわいそうです。なかなか漢方薬も赤ちゃんは飲めず苦労します。その時はまずお母さんが正しい食事(前述)をしてみましょう。
きっときれいになるでしょう。それでもよくならなかったら、お母さんの体調をよくする漢方薬をお母さんが飲んでみましょう。あるいは赤ちゃんでも飲める漢方のお茶もあります。