「便」はからだの「お便り」といいます。お子さんのウンチをよく観察してください。
毎日ウンチがでないアトピーのお子さんや赤ちゃんがいます。たいてい肌は乾燥して、肌色もくすんでいます。
正常な排便は、新生児の場合、一日10回からだんだん減り、1歳を過ぎると1日3回くらいになって行きます。子供の便秘は便が腸にたまって出せないタイプが多く、いったんたまると直腸が大きくなり、便意を感じなくなり、便は硬くなります。自力では出せなくなって出血したり、痛みを感じるようになります。痛むのでさらに排便を嫌がるようになり、ひどくなり、食欲が低下し、便の材料のかすは減るのでさらに悪化します。
2歳くらいで、大人の言うことをなんでも「いや」という嫌がる時期に一気に悪化するケースもあります。「いやいやえん」という童話がありました。
毎日すっきりウンチが出てさわやかな笑顔が見られるよう、ウンチの出方に注意してください。西洋医学では毎日でなくてもすっきり出ていればよい、と言いますが、腸にたまったウンチの汚い水分は門脈をつうじて全身に回ります。東洋医学では毎日すっきり出るのが好ましい、と考えます。分量も4,5歳のお子さんならバナナ2、3本分位出るのが本当です。バナナ便は健康のバロメーターです。
一人でトイレにいく年齢になると、親は安心してチェックしなくなります。毎日ウンチが出たか聞いてカレンダーにつけてチェックしてください。お子さんもウンチが出ることは大事なことだと理解するようになります。
食べるほうだけに気が向きがちです、が快食快眠快便は基本的な健康のバロメーターなのですから。食べたものが胃腸で消化され、かすが出ることによって丈夫な筋肉や骨や皮膚を作ります。
お通じは体の「お便り」です。
以前生まれつきウンチが数日に1回しか出ない、という赤ちゃんの相談を受けたことがありました。顔色はわるく、赤ちゃんなのに、眼の下に青黒くクマが見られ、お母さんは太って健康そうなのに、赤ちゃんはやせて標準よりずっと小さく見えました。
子供の甘い漢方薬と漢方の消化酵素を飲んでもらったところ、ウンチが毎日出始め、しばらくしていらしたときには見違えるほど顔色がよくなり、肌もつやつやしてクマもなくなり、赤ちゃんらしく太ってきてお母さんはとっても喜んでいました。
ウンチが硬くて出ないときは市販の浣腸で出始めの硬い便を出すようにします。そのあと漢方や食事、運動で改善していけばよくなり、肌も乾燥肌が少しずつよくなっていきます。また乾燥のひどい肌の赤ちゃんにはユリ根の粉末が甘くておいしく、喜びますので根気よく飲ませると乾燥肌によいでしょう。
アトピーで乾燥肌がひどく掻きむしっているのですが、絶対漢方薬を飲まないあかちゃんがいました。この赤ちゃんに漢方の生薬の入浴剤とこのユリ根の粉末を期待しないで飲ませましたらなんと掻きむしらなくなり、お母さんは大喜びでした。
食べ物では特に和食は繊維が多いので朝はご飯に味噌汁、納豆、くだものが腸の働きを助けます。味噌汁にはさつまいもやわかめ、なめこなど、納豆にはごま、おくらなどまぜる、切り干し大根、かんぴょう、ひじきの煮物、おにぎりや、干しブドウ入りさつまいもなどのおやつなどお勧めです。