Archive for the ‘アトピーの対策’ Category

愛がこもった漢方の軟膏

木曜日, 3月 31st, 2011

アトピーに使う軟膏には大きく分けて、ステロイド軟膏漢方の軟膏があります。

ステロイド軟膏は真っ赤な時炎症が激しいとき、かゆみがひどい時には効果があります。しかしやめると悪化しやすく、長期に使うと副作用がでやすく、ステロイド軟膏の功罪がよく言われる所以です。

血管収縮剤ですので、赤く腫れた血管を収縮して赤みを抑えるのです。

副作用としてはステロイド酒皺といい、赤く、みみずばれのように毛細血管が浮き出て真っ赤な顔になり治りにくい状態となります。また皮膚は萎縮し、がさがさして乾燥してかゆくなります。血管収縮剤としての作用が逆に長期に使うことによって血管を痛め、赤く腫れた血管が縮まなくなり、伸びっぱなしとなり、赤みがとれなくなり、血行が悪くなり、がさがさしてしまうのです。

古くなったパジャマのゴムのひもと同じです。

またその副作用のために一日に使う回数は1、2回と限定されています。

漢方の軟膏は主に3種類を私は使っています。

漢方の軟膏の特徴は使えば使うほど皮膚を潤し、丈夫にします。

したがってステロイド軟膏を使いながら、その合間に塗れる、ということです。

3種類の軟膏は①太乙膏 ②紫雲膏 ③中黄膏です。

①太乙膏はカレーの匂いのする軟膏で主に掻き傷がひどい時に用います。他に切り傷、虫さされ、床ずれ、やけど、肉芽形成に効果があります。カレー粉は入っていません。

においをかぐとおなかがすく、と小さいお子さんが言っていました。

太乙膏

②中黄膏は黄色い軟膏で、ウコン、黄柏(きはだ)がごま油に配合されています。急性の赤く腫れた皮膚や、打ちみ、捻挫に効果があります。

中黄膏

③紫雲膏は紫色の軟膏で、しみによいと一時評判になった紫根と血行をよくする当帰が配合されています。

ひび、あかぎれ、しもやけ、ただれ、やけど、痔の痛み、かぶれに効果があるので、アトピーの肌の乾燥に喜ばれています。

紫雲膏

アトピーは肌が赤く、乾燥していることが多いので、中黄膏と紫雲膏を混ぜて使うとよいようです。

中黄膏と紫雲膏はウエマツ薬局自家製剤です。したがって保存剤などの添加物は入っていません。

使うと「何ともいえず、ほっとする」と人気が高く、毎日毎日、一日中作っています。

かきまぜる時、手を休めるとすぐ固まってしますので作るスタッフは大変です。

この3種類は臭いや色がつくので、昼間は若干使いづらいこともあります。

そのためこの3種類の軟膏がすこしずつ混ざったウエマツ薬局オリジナル「花しずく潤(るん)クリーム」は色がピンクでバラの香りがして、使いやすく、人気があります。昼間や、症状が軽い場所に使うといいでしょう。

花しずく潤(るん)エッセンスはグリセリンを主体にして漢方生薬が配合されているので顔や体全体に花しずく潤(るん)のクリームと一緒に保湿にもちいるとよいです。

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自家製の中黄膏、紫雲膏、花しずく潤(るん)シリーズはウエマツ薬局が「愛」をこめて作ったものです。

アトピーとプール

火曜日, 7月 13th, 2010

楽しいプールの季節がきました。poolmini

でもアトピーのお子さんやご家族にとって悩む時期でもあります。

プールに入るとアトピーが悪化することがあります。

特に塩素の影響が大きく、また日焼けの関係もあります。

まずプールから出たらすぐ水でよく体に着いた塩素を洗い流しましょう。ぬるぬる感が取れるまで洗いましょう。水だけでは塩素は取れません。家に帰ったらすぐボデイウオッシュで洗いましょう。ボデイウオッシュは瑞花露ボデイソープやリスブランのノンEウオッシュをお勧めします。瑞花露ボデイソープには生薬の紫根や苦参が配合され、使うと清涼感があります。

洗ったらすぐ保湿しましょう。ウエマツ薬局オリジナル「花しずく潤(るん)美容液」はとても潤します。乾燥が強い人はさらに「花しずく潤(るん)クリーム」を重ね塗りしてください。

「花しずく潤(るん)クリーム」には紫根や当帰、黄柏、ヨクイニン等が配合され、バラの香りのするピンクのクリームです。

このクリームは紫雲膏と中黄膏の処方をベースに考えられたものですが、紫雲膏のようには色がつきにくいので、昼間も使いやすく喜ばれています。

日焼け予防にはリスブランのハイSクリームやノンSクリームがアトピーの方にも刺激がありません。日焼けは肌を「焼く」ので乾燥させ、かゆみを増します。必ずマメに日焼け止めをお子さんでも使いましょう。

以前オーストラリアへいった時、双子の赤ちゃんがベビーカーに乗ってそろって可愛くサングラスをかけていました。オゾン層が破壊され赤ちゃんでもサングラスが必要な時代になっているのです。

このようにスキンケアーをしっかりしてプールを楽しんでください。

ただプールに入ると悪化するので入りたくない、とお子さんが希望するのでしたら、担任の先生にお話しして休んでください。体育の成績が下がるからやらせるなど、決して無理をしなくていいですよ。

休む際は涼しい教室で休むよう、学校側も十分配慮してください。

ただし本人がやりたいのにお母さんが心配して休ませたい、とおっしゃることがあります。

私の考えは本人の気持ちが大事ですから、その際はしっかりスキンケアーをする、と約束させてプールに入れてあげればいいと思います。もし悪化したら、その時考えればいいとおもいます。十分中医学漢方で対応できます。

アトピーの方がステロイドを無理なくやめる方法

火曜日, 9月 29th, 2009

アトピー :ステロイドを無理なくやめる方法


ポイント1:ステロイドをやめてアトピーが治るわけではない
ポイント2:中医学漢方をまず飲んでアトピーを軽くする
ポイント3:少し軽くなったらステロイド軟こうを徐々に減らす
ポイント4:ステロイドがやめられ、アトピーもよくなる。
ポイント5:皮膚科で保湿剤とステロイド軟膏は混ぜないで投与してもらう。
ポイント6:ステロイドはポイント塗り、下地には「セ・サージクリーム」

雲南省の水掛け祭り
雲南省の水掛け祭り

●ポイント1:ステロイドをやめたらアトピーが治るわけではない
ステロイドをやめたい、と思って、急にやめてしまって悪化して多くの方が生活を犠牲にして苦しんでいます。
しかし、ステロイドをやめたからアトピーが治るわけではありません。

ステロイドは麻薬ではないのです。ステロイドがやめられない、塗らないと悪化するのはアトピーが治っていないから悪化するのです。そのところを多くの方が勘違いしています。
また、「ステロイドをやめてこの健康食品を飲んで毒だしをすれば治ります・・・」などと言って売るつける業者がいます。毒など体内のどこにありますか?

それまでステロイドで押えていたアトピーが一度に悪化し、全身真っ赤になり、滲出液があふれ、かゆみで夜も眠れず、学校や職場にも行かれず、悲惨な生活を送らなければなりません。

生活や人生を犠牲にしてまで、ステロイドを急にやめる必要はありません。
確かにステロイドを何年も、何十年もつけていてもアトピーは治らない、それではやめてしまおう、と思われる気持も良くわかります。
しかし、前述したように、やめたからアトピーが治るのではないのです。

●ポイント2:中医学漢方をまず飲んでアトピーを軽くする
ステロイドをやめる前に中医の漢方で軽くすればいいのです。
まず中医学漢方を飲み、生活を正し、和食の粗食にしましょう。ケーキや、たばこ、辛い物をやめましょう。
そして正しい洗い方、スキンケアー、漢方の軟膏の塗り方をマスターしましょう。
まず2,3か月漢方と併用していけば、少しずつ止めていかれます。
ただ、顔の紅斑が目立つ人や皮膚の薄い人、使用期間の長い人は止めるまで6か月以上はかかります。

●西洋と東洋、両方の医学を上手に使いましょう。それが人間の知恵です。西洋のステロイドと中医学漢方、どれも人類の知恵の結晶です。悩みすぎないで希望を持つと早く治ります。悩みすぎると免疫細胞の働きが落ちます。治すのは「自分」ですよ!!

●ポイント3:少し軽くなったらステロイド軟こうを徐々に減らす
やめ方は、中医学漢方を飲んで、症状が良くなってきたら、1日2回を1日1回に、そして1日おき、3日おきと様子を見ながら減らしていきます。専門医に診てもらって、その症状にあった強さのステロイド軟膏をしっかり付けることが早くやめられるコツです。
顔にはなるべくつけないで、体のほうだけステロイドをつけていけば顔も落ち着く場合もあります。それでも顔のあかみ、かゆみがひどければ先にステロイドを2、3日つけてからプロトピックに変えると刺激が少なく済みます。プロトピックをしばらくつけて中医学漢方と併用していけばほとんど方がプロトピックもやめられています。

参考:九州大学 皮膚科教室 http://www.kyudai-derm.org/part/atopy/index.html

●ポイント4:ステロイドがやめられ、アトピーもよくなる。
ステロイドがやめられ、アトピーが改善されますと全身の皮膚は健康そうな丈夫な肌になり、人からも羨ましがられるくらい、つやつやの肌になります。

●ポイント5:皮膚科で保湿剤とステロイド軟膏は混ぜないで投与してもらう。
強いステロイドを保湿剤で薄めて使っている皮膚科医が2000年の調査で85%います。
ステロイド外用剤と保湿外用薬の重ね塗りの手間を省くためと混合により副作用を軽くするため、と考えられてのことです。しかし血管反応の実験ではワセリンで薄めた場合、副作用は軽くならないことが証明されました。
薄めて副作用が弱くなるなら、一種類の強力ステロイド外用剤だけでだんだん薄くすればすべての症状のランクに間に合ってしまうわけです。そういう考え方はおかしいことがお分かりと思います。

またO/W型乳剤性基材の外用薬と油脂性のステロイド外用薬の混合は水の層が分離し、指をいれることにより、細菌が繁殖することもわかりました。
ザーネ軟膏、ユベラ軟膏、レスタミン軟膏などすべてO/W型です。
(参考;日本薬剤師会雑誌 第61巻 第3号平成21年P61~63)

●ポイント6:ステロイドはポイント塗り、下地には「セ・サージクリーム」
副作用を起こさないためには、初めに保湿剤のみを塗ってから、ステロイドを点々とポイント塗りの方が良いです。
またステロイドを塗る時には副作用の予防に「セ・サージクリーム」を下地に塗ることをおすすめします。砂漠の果物沙棘(サージ)から作った「セ・サージクリーム」は活性酸素の害を防ぎ、皮膚粘膜を丈夫にし、しみ、しわ色素沈着の予防に優れた作用があるので、アトピーの肌の荒れに喜ばれています。天然の果物の良い香りがするクリームです。

漢方薬の分量

木曜日, 3月 26th, 2009

漢方薬の分量と値段

漢方薬には煎じ薬とエキス剤があります。
煎じ薬は多くの種類の生薬を混ぜて水で30分から1時間煮だすものです。
一つの処方は分量が決まっていて、日本の薬局で使われているものは大体20gから27g位です。

先週中国 雲南省の雲南中医薬大学の皮膚科に研修に行って来ました。
教授のとなりに座って患者さんを見て、皮膚と全身の診方と、どのように処方を導き出すかお教えいただきました。その時驚いたのは生薬の量の多さです。一日分がなんと300g平均なのです。内科ではその半分くらいですが、皮膚の場合はそのくらい使わないと効果が出ない、とのことでした。

また入院では保険がきくが、外来は100%自費だとのことで、この量では一か月の給料の三分の一くらいにはなるでしょう。それでも病院には患者が殺到しているのは良く効くから、ということでした。

ウエマツ薬局でもよく効くよう、いくつかの処方を組み合わせていますのでかなり量は多くなっていて驚かれます。一日量は60gから80gくらいですので金額も一日600円から1000円くらいになってしまいます。

早く良くしたい場合は上記の量でまず3か月くらい飲んで、その後良くなったら半分にして悪化しないよう気長に飲んでいきます。
しかしそれでも無理なら半分の金額で食事を徹底的に直していけばよくなることもできます。

エキス剤は一箱の分量と金額は決まっています。早く良く効かすためにはたっぷり使ったほうが良いので何種類も組み合わせるとどうしても一日1000円くらいになってしまい、苦慮します。

エキス剤は簡単ですが割高で、煎じ薬は作るのが面倒ですが、効き目は早く、割安です。
それぞれ生活に合わせて選んでいただければ、と思います。
症状に合ったよい処方を考えると同時に、患者さんが困らないよう、安くて、効き目がよい方法を頭の中で一生懸命考えますので、一日終わると頭の中はいつも疲れてしまいます。

乾燥肌によい食事

土曜日, 12月 27th, 2008

乾燥肌によい食事


肌が乾燥すると刺激に弱くなり、かゆみを起こしやすくなるだけでなく、しわ、たるみの原因にもなります。
保湿も大事ですが、中から皮膚を潤す食べ物と漢方薬はおおもとから治す働きがあります。

料理としては、まず水分の多いもの、汁ものや、煮物、ご飯があります。
どれも調理に水をたっぷり使いますので、料理にも水分が多く含まれます。
お米を主食とするアジアの民族は小麦を主食とする欧米の民族より肌がなめらかで、きめが細かいことが特徴です。

毎食汁ものをとるとスープから栄養がたっぷり取れます。中国や台湾で薬膳料理のコースを取りますと八品のうち三品はスープです。このコースを食べ終わりますと、どの方も肌が艶々になっています。
鶏肉の手羽元をキャベツなどで水から煮たスープやジャガイモやニンジンのポタージュなどでもいいでしょう。鍋料理もいいものです。

避けた方がいいものは乾燥した食品や辛いもの、熱くなるものです。
パン、せんべい、クッキー、キムチ、辛い料理、お酒、チョコは避けましょう。想像しただけで口が渇いてきませんか?

食品としては、梨、トマト、ユリ根、豚肉の赤み、山芋、はちみつ、黒豆、白きくらげ、豆腐、ホウレンソウ、あさり、いか、かきなどがあります。

煮た黒豆もお正月だけでなく、毎日少しずつ召し上がるものよいでしょう。のども潤します。
湯豆腐に豚の赤み、ホウレンソウをさっと入れたしゃぶしゃぶ風もいいでしょう。

薬膳としては「トマトうどん」も簡単で美味しいひとしなです。
以下のHPに作り方が載っています。私が中国へいったときに覚えた北京名物です。朝日新聞の夕刊に掲載された私のレシピです。この「薬膳的夜食術」は朝日新聞社から近々出版されるそうです。お楽しみに。
http://www.kanpo-bijin.com/?p=2468

にきび、しみに 美肌になる食事

火曜日, 5月 27th, 2008

「え?!肉なし!?」


仲間内でも「肉好きな未来(みき)ちゃん」として有名な私が、ある日から急にがらっと肉・乳製品なし&和食生活になりました。
きっかけは妊娠。私の系統は祖母をはじめ母・光子、妹、私もみんなアレルギー体質。これは影響しないわけがない。大事なこの子をアレルギーから守るんだ!…と。

夫も巻き込んで、我が家の体質改善食生活が始まりました。

しかし、和食の粗食って?いくつか本を読みましたが、読めば読むほど何を食べたらいいのだろう?と悩んでしまいました。


和食中心に


そこでまずはシンプルに、パン・ヨーグルト・卵・ベーコン・バナナだった朝食メニューを、ご飯(胚芽米または玄米)・みそ汁・納豆・手作りふりかけ・豆乳&野菜ジュース(豆乳と野菜ジュースまたは果物ジュースを半々で混ぜる、美肌ドリンク)に変えました。パンを買いにいく手間がなくなり楽に感じました。
カフェインをとらないためにコーヒーをやめ、有機栽培の三年番茶にしました。
この朝食を変えただけで、乳製品や添加物、化学調味料を取る量がどんと減りました。

無農薬よりグレードの高い有機野菜の宅配購入を始め、旬の有機野菜や果物、玄米、胚芽米が届けていただくようにしました。
切り身の魚や漬け魚のセットもあり、魚の処理が苦手な私にはありがたいシステムでした。

冷蔵庫からは自然に卵(ケースも片付けられ)、牛乳、バター、マーガリン、ベーコン、ドレッシングなどが姿を消しました。


だしまじめ


脱・顆粒だし!!
★ 昆布だし★
だし昆布を10cmキッチンはさみで5mmくらいの細さに切って、それを具材ごと煮て、昆布もそのまま食べるようにしました。
★ 煮干しだし★
夜、なべに水を入れ、煮干しをそのまま入れておきます。朝、火もかけず取り出すだけ。煮たり内蔵を取ったりせずにだしはとれます。

たまには…
肉もケーキも大好きな私、いい食事をとることは大事ですが、食事を楽しむ事も大事ですよね。
尊敬する帯津良一先生も「たまには好きなステーキもどうぞ食べてください。でもどうせ毒を食するのなら、高くてもいい肉を食べてください」と言っておられます。
たまにはいいんです。…ということで先日も私は国産銘柄豚のもち豚やデザートの盛り合わせなどのコースを食べ、友人と爆笑し、幸せな時間を過ごしました。「毒」の肉でも楽しくリラックスしながら食べれば、やっぱり免疫力はあがるような気がします。(いいわけ?)

体にいい食事も徹底しすぎると、行き詰まってしまう事もあります。そんなときは割り切って、好きなものを食べてスッキリしてください。
いい食事9割:好きな食事1割というくらいで。

そして、結果は…
3,635gで元気に誕生した娘は、一度粉ミルクで発疹が出ましたが、それ以外は今のところ大きなトラブルもなく、白くしっとりとした美肌です。
それでも乾燥しやすい肌のようなので、「瑞花露クリーム」でスキンケアをしたり、胃腸を整え肌を潤す漢方薬などを飲んでいます。嫌がらずに飲むところは、さすが「漢方薬局の孫」です。

文責 植松未来


美肌を作る簡単★野菜料理 その1


夏の終わりのかたく筋っぽい大根も美味しく食べられます

⇒大根のきんぴらレシピはこちら

料理作成 ウエマツ薬局 星野 和子

湿気とおりものとアトピーの関係

火曜日, 5月 20th, 2008

梅雨時アトピーが悪化する、と心配される方がいます。
こういう方でおりものも一か月ずっと続いて、量も多い、という方がいます。
梅雨時、湿気が多くなると、体の中の湿気すなわち「湿(しつ)邪(じゃ)」もおおくなり、皮膚に水泡が増えたり、じくじくかゆくなります。

汁が出なくても肌にさわるとなんとなく、湿っぽいこともあります。中医学では人の体は宇宙が支配していて、季節の影響を多く受けるので、治す時も季節の関係を重視しながら治していきます。梅雨時悪化する人は湿邪が多いタイプが多いので体内のおりものも増える傾向があります。

正常なおりものは無色透明で臭いも少なく、少量です。生理と生理の中間、排卵期ごろと生理前、妊娠時にやや多くなります。膣に雑菌が入るのを防ぎ、精子が入りやすいようにする働きがあります。しかし多すぎたり、黄色みを帯び、匂いが強くなると「湿熱」の状態となり、精子の力を弱め、妊娠力を落とします。

アトピーの痒み、じくじく、水泡のある皮膚を改善するにはこのように体内からくる信号も考慮しながら治していくと、肌も改善され、膣の不快な症状も改善し、すっきりします。

これも中医学の面白い点で「異病(いびょう)同治(どうじ)」<異なる病気や症状を同じ治療方針で治す意味>の一つの例です。

おりものに泡が混ざって耐えがたいかゆみとなった場合はトリコモナス菌に感染していたり、そのほか膣炎、卵管炎、などの場合もありますからその時は早めに受診し、治療を受けながら、そのような症状を起こす体質を改善していきましょう。

おりものを中医学で改善して妊娠した方は何人もいます。
写真説明:中国雲南省 少数民族の人形

春にアトピーが悪化する理由

火曜日, 5月 20th, 2008

アトピー:春悪化する理由
今年の春は寒さが続いたと思うと急に暖かくなり、桜は例年になく、遅く咲いたかと思うと見事に咲き誇り、あっという間に散ってしいました。

アトピーも例年になく、急に赤くなった方が多く見られました。
その理由は自然界と密接に関係があります。

冬寒い時は「陰」の季節で寒く、血管も収斂していますが、春になると草木が芽吹くと同じように、体内の「陽気」も動きはじめ、熱がこもってきてアトピーが悪化すると考えられます。

秋、冬は「陰」であり、春、夏は「陽」です。
万物は「陰」から「陽」に変化しています。その変化にうまく対応できないと体が不調をきたし、弱いところに症状が出てきます。

まずは早く起きて朝の太陽の光を浴び、早く体を目覚めさせましょう。
そのためには夜は早く寝ましょう。遅くとも11時には寝ましょう。

夜は「陰」です。水も「陰」です。夜の間に水分が肌を潤します。たっぷり寝て起きた朝は肌がしっとりして化粧のりがいいことを経験されているとおもいます。

逆に寝不足の朝は肌ががさがさしてお化粧がのらないですね。

こもった熱をとる生薬には「牡丹皮」「赤芍薬」」「生地黄」などがあります。
中医学の見方でよく肌をみてもらってこれらの入った漢方薬や中成薬を飲まれるとだんだん改善されることでしょう。

辛いもの、乾いたもの、冷たいものは食べないようにしましょう。

写真
雲南省大理市 少数民族、白族(ぺいぞく)の娘さん
お茶の作法を教えているところ

アトピー肌の乾燥とほてり

火曜日, 5月 20th, 2008

乾燥の原因のひとつは「熱」


アトピー: 乾燥とほてり
アトピーの方がよく訴えられる症状に「乾燥」と「ほてり」があります。
「乾燥」も「ほてり」もどちらも不快な症状です。

まずその原因を考えなければいけません。
原因には大きく分けるとふたつあります。

一つは胃腸の消化能力が悪くて栄養が肌に行き渡らなく乾燥する「虚」のタイプ。
逆に体に悪いものがたまり、熱がこもって乾燥する「邪」のタイプの二つがあります。

「邪」のタイプの一つの原因はまず「体内にこもった熱」です。
洗濯物がストーブのそばで乾くように「熱」があると乾燥します。

長い間皮膚に炎症があることによって、血液が熱をもち「瘀血」となってどろどろしてきます。肌はごわごわ、かさかさして「苔癬化(たいせんか)」という慢性の炎症の状態になります。「熱」があるのでほてってきます。ステロイドを長期使っていてもほてりがきます。

中成薬(エキス剤、錠剤)の「涼血清営顆粒」を気長に飲むと「血熱」はおさまっていき、乾燥もいつの間にかおさまり、つやつやした肌になっていきます。

また多少潤す成分もあったほうがいいので私はよく「瀉火補腎丸」や「荊芥連翹湯」「当帰飲子」「石膏」も併用します。「当帰飲子」だけでは「熱」をとる力はないので「熱」をとる漢方薬を併用します。

必ず皮膚をよく見てもらって「熱」をとる漢方薬と「潤す」漢方薬の割合も見ながら出してもらうことが大事です。「舌」の色は真赤な人が多いようです。

ただし「乾燥」は長い間の「熱」によるものなのですぐ治すのは無理です。
日本では粉薬では潤す漢方薬は少ないのでとても困っています。
今私の属する研究会で開発中です。完成したらお知らせします。生薬では「麦門冬」「沙参」「玄参」「知母」「石膏」などがありますので煎じ薬に自分で加えて煎じるといいでしょう。
あせらず飲んでいけばよくなります

入浴後はものすごい勢いで乾燥していきます。出たら一分以内に「瑞(すい)花(か)露(ろ)クリーム」や「アリメントクリーム」などを塗りましょう。ひどいときはこれらを塗ってから入り、出てからもぬるといいです。

手も水を使って水分が残っていると蒸発するときに手の水分が奪われます。よくよく水分を拭き取って「瑞花露クリーム」や「ビューティシャンハンドクリーム」をすぐ塗りましょう。

顔にはしわや色素沈着によい沙(サー)棘(ジ)が入った「セ・サージクリーム」の上に「アリメントクリーム」を塗るといいでしょう。
次回は乾燥によい食べ物とおいしい薬膳です。
お楽しみに。

花粉症は「熱」タイプ

火曜日, 5月 20th, 2008

単純に「花粉症の漢方薬」を求めないで


人の身体とアレルギーの木

人の身体とアレルギーの木

今日は春一番の突風が吹き荒れ、新幹線もダイヤが乱れました。
花粉症の方はさぞ憂鬱でしょう。
花粉症に効く漢方薬はいろいろありますが、アトピーのある人は単純に「花粉症の漢方薬を」と求めますと合わないことがありますので、気をつけてください。
以前もこのHPで書きましたが、花粉症になる人は一般的には冷え症で「寒証(かんしょう)」ですので「小青(しょうせい)竜(りゅう)湯(とう)」という干した生姜、乾姜(かんきょう)が入っていて体を温めて漢方薬を用いて治すことが多いのです。が、アトピーの人は肌が赤く、熱感があり、便秘がちという「熱証(ねつしょう)」ですのでこのような漢方薬を使いますと、アトピーは悪化します。
従って使う漢方薬は、目のかゆみ、のどのかゆみなど「熱証」に使う処方を用います。肌を悪くしないよう、最善の注意を払って用いることが大事です。